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絶対安心だと思える“嘘のないもの”を― ベッカライ麦星 鈴木 寛さん

鈴木さんは静岡の浜松のご出身で、東京とオーストリアのチロル地方でパン作りの修行をされた後、飯綱高原で「ベッカライ麦星」という薪窯パンのお店を始められました。国産の材料を使い薪窯で焼いたライ麦パンは、外はパリッと、中はふんわりモチモチで、香りよく味わい深いです。

薪を燃やして熱した窯でパンを焼く

写真 薪窯って何タイプかあるんですけど、うちで使っているのは、ローマ時代の遺跡から出てくるような一番古いタイプの窯です。中で薪を2時間くらい燃やして、燃やしきったら熾き火や細かい灰をすべてかき出してしまって、直接パン生地を置いていきます。そうすると鉄板に乗せて焼くのと違って、直接石と生地が触れるので、下がパリッとして、遠赤外線の効果なのか中はフワッと仕上がります。火で調理したものを美味しいと感じる感覚ってどっかにあると思うんですよね、かまどで炊いたご飯が美味しいのと同じように。

ライ麦をいずれ飯綱の有休農地なんかで栽培できるといいな、という思いがあって、それでライ麦のパンを焼いているんです。ライ麦は小麦の育たないような寒い地域で育つので。薪は長野の間伐材を使っています。

子どもが食べても安心な“嘘のないもの”

写真チロルではキャラウェイの入ったライ麦パンを皆よく食べるんです。パンだけで食べるとクセがあって取っ付きにくいんですが、スーパーで売っているような安いワインとチーズを一緒に食べるとすごく美味しくなるんですね。そういう体験があったので、うちのパンを美味しく食べてもらえるような食べ合わせを提案できるといいかな、と思ってカフェスペースも作りました。

野菜は飯綱で無農薬で作っている方のところから買っています。旬の野菜は味が濃いので、その時手に入るものに合わせてアレンジして作っています。粉も防腐剤が強いものは使いたくないので、長野県産と北海道産の小麦を混ぜて使っています。
子どもが食べても絶対安心だと思えるもの、“嘘のないもの”を作るようにしているんです。
お母さんたちのたまり場になるといいなっていう思いもあって、ちっちゃい子が一緒でも安心して来てもらえるように、ソファー席やベンチ席を作りました。

飯綱にはチロルと同じような空気がある

飯綱の白樺の感じとかこの空気感が好きで、東京で仕事しているときから飯綱に遊びにきていたんです。宿のご主人夫妻のお人柄も好きで、それで春夏秋冬来るようになって。
針葉樹とか白樺の感じがチロルの町とよく似ているんです。チロルでは今でも思い出すと泣けてくるぐらいいろんな人にお世話になって…それと同じような空気があるんですよね。

場所としては、一の鳥居が好きですね。広い芝生の広場があって、飯縄山がバーンッって見えて、お子さんなんか大喜びですよ。古道を歩いて大久保の茶屋まで行って帰ってもいいし、雪の時期もスノーシューや歩くスキーで歩いたりしても面白いです。隣に「中寿美さん」ってカフェがあるので、帰りにそこでコーヒーを飲むのもいいですよ。
それと柳沢の池。隣に自然教育林っていうのがあって、白樺だけの林とかハンノキの森なんかがあったりして、季節によって全然森の感じが違うんで、面白いですよ。みんなもっともっと歩きに行けばいいのにって思います。

(2011年12月17日)

写真■ ベッカライ麦星

〒380-0888 長野市上ヶ屋2471-930
TEL. 026-239-3039
>>ベッカライ麦星ウェブサイト

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